VIVATECHNOLOGYとは、フランス最大手の広告代理店、Publicis(パブリシス)とフランスの経済新聞の代表格であるLes Echos(レゼコー)グループによって2016年に創設された、ヨーロッパ最大のスタートアップおよびテックイベントです。今年は第6回目の開催で、ビジネスの変革やスタートアップの成長を目指すイノベーションの祭典として世界中で認知されています。SINEORAとして参加したのは今年が二回目で、アフターコロナのイベントとして人数制限なく全て対面で行われました。来場者は9万人を超え、VivaTech Newsへのアクセスは430万人以上で、会場全体に活気が溢れていました。
SINEORAとしての取り組み
SINEORAは、日経と共催でスマートインダストリーやヘルスケア、脱炭素など注目テーマについて、会場からの生の情報を届けるビバテクノロジーセミナーを4回行いました。さらに、VivaTechの会場を、日本最大級のオープンイノベーションプラットフォーム「AUBA」運営のeiicon companyと協同開催でVIVA TECHの会場を①ヘルスケア&ウェルビーイング、②ゼロエミッション&サステナビリティの2つのテーマに沿って、日本語で深く掘り下げる会場ツアーを行いました。
イベントの特徴
VivaTechは、スタートアップと大企業の両者によるオープンイノベーションの展示会であるという点が最大の特徴の一つです。会場内でも大企業が自社のブース内にスタートアップのブースを設ける形が多く見られ、オープンイノベーションが起きやすい仕掛け作りが施されています。
「ゼロエミッション」を大きなテーマとして掲げるViva Techは、SDGsに対する関心の高い欧州ならではの姿勢を体現しています。フランスでは、SDGsを環境改善などの結びつけて考えるイノベーションこそが魅力的とされ、ビジネスも引きつけるという側面があります。今年の注目イノベーションとして、NTF 、サスティナビリティが注目されました。
2022年度の特色
本年度の6つのテーマは、⑴ネット・ゼロ・エミッションへの競争、⑵モビリティ・リバウンド、⑶未来の働き方、⑷インクルージョン、⑸最先端の技術:Web3、⑹欧州のデジタル化の10年でした。毎年スポットライトが当てられる最新技術として、今年はWeb3・メタバースが取り上げられました。Gartner社によれば、2026年までに25%の人が、仕事、ショッピング、教育、ソーシャルメディア、エンターテインメントのために、1日1時間以上をメタバースで過ごすと推定されます。またブロックチェーンは、2025年までに世界のGDPを422億米ドル、2030年までに1兆7600億米ドル、つまり世界経済の1.4%を増加させると予想されています(PwC)。このような背景を踏まえ、暗号通貨取引所のバイナンス社が主催するWeb3イノベーションパークでは、ブロックチェーン、暗号化、NFTのエコシステムにおける最先端のスタートアップとイノベーションが紹介されました。さらに、チャンポン・ジャオ氏 (Binance社CEO、創設者) が暗号通貨について、そしてLari Haav氏 (e-Residency) はブロックチェーンが国際取引の発展にどのように役立っているかについて話しました。
また、2022年の出展者は2,000社を超えました。そのうちの1,800社がスタートアップで、内45%が外国からの参加でした。2019年時に比べ35%多い30カ国が参加をし、146の国籍の人々が参加したとの発表もあり、VivaTechの国際性はさらに強化されました。
参加大企業概要
VivaTechの創立パートナー企業としては、銀行(BNP Parisbas) 、IT企業(Google)、フランス郵政公社(La Poste)、ファッション業界大手企業体(LVMHグループ)そして電気通信事業者(Orange)が名を連ねています。
パートナーにはそのほかにもゴールデンパートナー、シルバーパートナーと多様な業界の多くの企業がパートナーとして毎年参加しています。