VIVA TECHNOLOGY 2024 総レポート 2024年6月 

執筆者 | 6月 14, 2024 | Events, VIVATECH

Viva Technology 2024 & フレンチテック イベントレポート

VIVATECHNOLOGYとは、フランス最大手の広告代理店、Publicis(パブリシス)とフランスの経済新聞の代表格であるLes Echos(レゼコー)グループによって2016年に創設された、ヨーロッパ最大のスタートアップおよびテックイベントです。今年は第8回目の開催で、ビジネスの変革やスタートアップの成長を目指すイノベーションの祭典として世界中で認知されています。

今年はパリオリンピックの関係で、例年より少し早めの2024年5月22日(水)~24日(金)(*25日土曜はパブリックデー)に開催されました。

イベントの特徴 

VivaTechは、スタートアップと大企業の両者によるオープンイノベーションの展示会であるという点が最大の特徴で、 本年度は、「日本」をCountry of Yearとして迎え、テーマは、(1) AI 、 (2)クライメートテック、(3) モビリティ、(4)ディープテック、(5)クリエイター・エコノミー、(6)ゲーム & Eスポーツ、(7)フューチャー・ソサエティそして(8) インターネット&デモクラシーでした。 

VivaTechの創立パートナー企業として、銀行(BNP Parisbas) 、IT企業(Google)、フランス郵政公社(La Poste)、ファッション業界大手企業体(LVMHグループ)そして電気通信事業者(Orange)が名を連ね、大企業が自社のブース内にスタートアップのブースを設けるなど、協業を同時に見て取れることができます。 

参加大企業概要 

例えば、BNP Parisbasは、「サイバー、モビリティ、決済」にかかる課題を解決するための12社を招待スタートアップ企業として同社ブースに招聘されました。

La Posteの場合、同社が提示する「地域サービス、B2Bサービス、医療サービス、地域サービス」にかかる多角的な4つの課題(チャレンジ)に対して、ソリューションを提供する12社のスタートアップ企業、銀行、医療、物流、サービスなどの分野でイノベーションの協業をしているスタートアップ企業24社、など計41社を招聘し、La Poste GPT、生成AI、自律型荷物ロボット、荷物追跡グローブデバイスなどを紹介していました。 

LVMHは、LVMHグループと傘下メゾンが取り組む課題に関連するソリューションを提供するスタートアップを対象に毎年30社のスタートアップ企業をファイナリストとして選出し、ブースに出展、LVMHイノベーションアワード授賞式がVivatech開催中に行われます。今年は、89カ国1,545件の応募の中から30社(うち日本のスタートアップ企業2社)が審査員に選ばれ、中国のAIでオリジナルビデオを生成するスタートアップ企業FancyTechがLVMHイノベーションアワード・グランプリとして選ばれました。

次に、プラチナムパートナー(AWS, ドバイ、マンパワーグループ、PwC)、ゴールドパートナー、シルバーパートナー、その他メディア・アカデミアパートナーなど、官民学一体のイベントとなっています。 

SINEORAとしての取り組み 

今年もSINEORA社はパブリックツアー・プライベートツアーを実施しました。

大阪でスタートアップ・エコシステムの情報を積極的に発信している森 玲子さんは、弊社のツアーに2年連続で参加頂き、これがきっかけでVivatechの大ファンになって頂きました。森さんならではの視点でビバテック・レポートをうまくまとめてくださっています。

2024年の総括 

8回目の開催となる今年のVivatechは、16万5,000人が来場し、過去最大の来場者数(2023年の15万人が過去最高で本年は10 %増)を記録しました。来場者ベースで、CES 2024の来場者約14万人を越すことから分かるように、世界最大規模のイベントのひとつとして地位を確立しつつあります。  

本年は、13,500 社を超えるスタートアップ企業がVVTに参加(出展、登壇、来場他含む)し、 対2023年で20%増え、2,000 社を超える投資家や投資ファンドと会う機会を得るスタートアップ企業だけではなく、 あらゆる経済主体にとって無視できないイベントとなっています。 

物理の出展や来場者だけではなく、オンラインでのマッチングでも400,000 件を超えるビジネス機会が生まれ、年々、日本での知名度も高くなり、日本からの来場者も多くなっており、世界規模のVivatechならではのエコシステムを形成しています。  今年のLVMHイノベーションアワードに、日本のスタートアップ企業が2社もファイナリストとして選出されるのは初のことで、日本のスタートアップ業界にも明るいニュースとなりました。

今回のVVTで引き立っていたのはAIとサスティナビリティに力をいれていた点で、スピーカーにMETAのヴァイスプレジデント兼チーフAIサイエンティストでフランス人 の ヤン・ルカン (Yann LeCun) 氏も登壇し、フランス・エコシステムの未来性について言及もしていました。 

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